ムーサ像とコロナウィルス

コロナウィルスの影響で、日常生活がすっかり変わってしまったニューヨーク。明日、3月23日より、どうしても必要なもの以外を売るお店はクローズする予定です。家付近のマクドナルドも、店の中は真っ暗、窓口のみでの販売となっています。スーパーは、買いだめをする人で、あふれかえっています。

当然というか、2週間ほど前からメトロポリタン美術館を始め、ニューヨークすべての美術館は、いつ再開するともしれない、休館状態です。私は、ラッキーというか、閉館の前日、それとは知らずに、たまたまメトロポリタン美術館を行って、この大理石像をスケッチしていたのです。来館者の数が、すっかりまばらで、実に静かな様子でした。

ミューズの大理石像/the marble statue of a seated Muse

スケッチしている最中は、何の像なのか気にしていず、帰りにふと見ると、ムーサ像ということ。ムーサは、古代の羊飼いヘシオドスに現れた、女神の一群で、彼女たちのインスピレーションで、ヘシオドスは詩を創作するようになったんですね。

普段、人間のモデルをスケッチする際には、モデルというのは、生身の人間なので、静止して姿勢を保つことは難しく、時間がたつと少しずつポーズが変わっていたり、時にはあくびしたりすることあります。もちろん、像をスケッチするときには、石でできているので、何時間たっても全く同じ様子で固まっています。

私の先生は、「モデルは人間だから、動いて当然。文句は、言わない。」と、言っていたのを思い出します。

人間は生きているので、変化するし、病気になったり、老いたりするのが当然なんです。石でできた像や、ギリシアの女神は、不老不死。人間の痛みや悲しみなどについては、無縁です。生きているゆえ、人間ゆえに、ウィルスにも感染するし、不安にもなるということを思った一日でした。

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